柴犬がかかりやすい病気・ケガ

 

GM1ガングリオシドーシス

症状 歩行時の下肢のしびれや痛みがでるが休めば痛みが軽減されます。バランスの欠如、麻痺、視力障害、筋緊張、痙攣等を起こします。
原因 遺伝子病で、細胞小器官の一つである、ライムゾーム内酵素の欠損や異常な低下から、通常では代謝されるガングリオシドが中枢神経に蓄積してしまい、全身の臓器内に、クラタン硫酸やオリゴ糖が蓄積し神経症状や運動失調を起こします。
治療 今のところ治療法はありません。

心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)

症状 小さい欠損孔の場合は無症状の場合も多く、欠損孔が大きい場合は、運動したら疲れやすい、呼吸困難、繰り返す咳、運動を嫌がる、食欲不振・元気損失などがある。また、孔が大きく、心臓内の血流に影響が出る場合は、発育の障害が現れます。
原因 先天性の疾患であり、遺伝性もあります。
治療 欠損孔が小さく無症状の場合は、特に治療の必要はないが、欠損孔が大きい場合は外科手術で孔をふさぐ必要がある。早期発見し手術すれば健康犬と変わらないが、すでに心不全の症状があらわれている場合は、強心薬や血管拡張剤、利尿薬の投与など内科的治療を行うが治療は進行を抑えるためのもので完治はしません。

アトピー性皮膚炎(あとぴーせいひふえん)

症状 ひどい痒みのため、患部をしきりにひっかき、皮膚がただれたり傷ついたりするほか、皮膚の一部が厚くなって乾燥することもある。
原因 遺伝的要因による皮膚病で、ハウスダスト、ノミ、ダニなどの寄生虫、花粉、食べ物などが原因です。
治療 アレルゲンとなる物質を突き止め、取り除くことで症状が改善。副腎皮質ホルモンや抗ヒスタミン剤などによる薬物療法や食事療法が治療に必要です。

僧帽弁閉鎖不全(そうほうべんへいさふぜん)

症状 乾いた咳や呼吸困難を起こします。運動を嫌がり、食欲不振・元気喪失になります。
原因 心臓の左心房と左心室の間に存在する僧帽弁が障害を起こす異常が僧帽房弁閉鎖不全症を引き起こします。
治療 完治させる方法はありませんので、投薬により、血管を拡張した心臓への負担を軽減し、病気の進行を抑えます。

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)※パテラ

症状 膝の皿が外れた状態になる。腰をかがめ内股で歩くようになったり、跛行が見られたりする。重症になると、重度の骨の変形となり、最小限しか地面に足をつけない様になります。
原因 遺伝などによる先天性や、事故による後天性の原因があります。
治療 軽度の場合は、自然に元に戻ることもありますが、重度のものは、手術が必要になります。
予防 床がフローリングの場合は、クッションフロアや絨毯などを敷き滑りにくくし、足に負担がかからないよう、体重制限ダイエットや、ソファや階段の上り下りやジャンプはさせないようにしましょう

緑内症(りょくないしょう)

症状 眼圧が高くなり、視神経に影響を及ぼし視野が狭くなる。目の色が緑色や赤色に見えたり、眼圧の影響で目が飛び出して見えたりします。角膜炎や、結膜炎を併発したり、視力障害を起こし失明することもあります。痛みが強く、元気をなくし、食欲も減退し、イライラして攻撃的になることもあります。
原因 先天性や、眼内の炎症、外傷、腫瘍、水晶体の異常が考えられます。
治療 瞳孔を縮める縮瞳剤を使い、眼圧を下げる内科療法を並行して行います。これで効果がない時は手術を行うこともありますが重症になると完治は困難です。

椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)

症状 元気がない、疲れやすい、足を引きずる、かばう、足を痛がる、歩き方がおかしいなどがあり、重症になると麻痺して半身不随になったり、後肢の麻痺により、排便・排尿が困難になったりします。
原因 全力疾走や階段の上り下り、跳ねたり、体をねじったりなどの激しい運動や肥満、骨の老化により頭部や胴体の重みを支える脊椎のクッションの役割を担う椎間板への負担が大きくなり損傷することによっておこります。椎間板を損傷すると椎間板内部のゲル状物質の髄核が飛び出し脊髄や脊髄から出る神経を圧迫するため、これが痛みや麻痺の原因となります。
治療 軽度の内は、薬剤で患部の痛みを抑える内科的治療を行い、ケージの中でしばらく安静にして運動を控えさせます。内科的治療後も症状があまり改善しない場合や重症の場合は、外科的治療を行い、その後は、リハビリで神経の機能回復を図ります。
予防 フローリングの床はカーペットを敷き滑りにくくしたり、階段の上り下りや激しい運動は控えるようにしましょう。また、食事管理を徹底し、肥満予防に努めることも大切です。

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)

症状 元気がなくなり、運動を嫌がるようになります。食欲不振になりますが、体重は増える傾向にあります。また、基礎代謝の低下のため、皮膚は乾燥し、脱毛します。寒さに弱くなるため心臓機能も低下します。
原因 甲状腺の委縮や破壊、腫瘍などが原因と考えられています。
治療 甲状腺ホルモンを獣医師の指示に従って規則正しく投与する必要があります。

股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)

症状 股関節が変形し、後ろ足が立たなくなることもある。歩行時に腰が左右に揺れる。走行時に後ろの両足をそろえてうさぎ跳びのような格好をする。異常な体位で座る。
原因

遺伝的疾患だが、約30%は生育環境が原因ともいわれています。

発育期における過度の体重増加により股関節の骨や軟組織に負担をかけすぎると、股関節が十分に発達しません。

治療

若い犬で、初期症状の段階なら安静にすること。ある程度進行すると、抗炎症剤などの投与することもあります。

すでに運動機能が損なわれている場合は、手術により、骨盤の一部や大腿骨頭を除去します。

気管虚脱(きかんきょだつ)

症状

興奮時や運動中に、乾いた咳や苦しそうな呼吸音を出します。

また、症状が進むと、よだれを垂らしてあえいだり、唇や舌の色が紫になるチアノーゼを起こして倒れることもあります。

原因 気管を作っている軟骨や周りの筋肉の異常により起こります。また、肥満や老齢が原因でも起こることがあります。
治療 咳や呼吸困難に対する内科療法がおこなわれ、症状が重い場合は、気管を広げる手術を行うこともあります。

 

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