マルチーズについて

 

ルーツ

 

マルチーズの歴史は紀元前1500年頃までさかのぼるため確かな証拠はあまり現存せず、仮説や伝説が多くなりますが、古代の地中海の東岸(現在のレバノン共和国近く)に広く栄えていたフェニキア人の水夫たちによって、貿易の中継点であるイタリア半島の南にあるマルタ島に連れてこられた犬がマルチーズの祖先だと言われています。

ちなみにマルタ島は、古くから貿易の中継地点として栄えていて地中海沿岸の地域諸国の中で文化がもっとも発達していたともいわれていて、その際に持ち込まれた犬の詳しい犬種は諸説ありますが、アジア由来の小型犬だったという説の記録が残っています。

初期のマルチーズは、船員のペットとして船の中で飼われていたことが多く、ヨーロッパやアジアなどの貿易相手国を中心に広まっていきましたがマルタ島のマルチーズは他の犬種と隔離され何世紀もの間純粋な交配を続けてきたため特質を受け継ぐことになりましたが、今のマルチーズと違い、白以外の毛色も存在していたとされています。

マルチーズに関する記録は紀元前300年頃のものが残っていて5世紀ころのギリシャの美術品にはマルチーズによく似た犬が描かれていますし、マルチーズへの愛情が嵩じて墓標が建てられたという証拠が残っていることから当時からマルチーズはいろいろな人に愛されていたことが分かります。

マルチーズは狩猟犬や使役犬を小型化したものではなく、終始愛玩犬として愛されてきた特殊な経歴を持つ犬種です。

愛玩犬としてのマルチーズは今に始まったことではなく、既にヨーロッパ、とくにフランスやイギリスの王室貴族中心に人気になりました。

19世紀となった1813年に、マルタ島はイギリス領になりましたが、その際にマルチーズはイギリス王室にわたり当時のイギリスの女王、ヴィクトリア女王をはじめとする王族貴族の中で大流行しました。それ以前にも在位1509年~1547年のヘンリー8世の時代からエリザベス朝時代を通して貴婦人たちから抱き犬(愛玩犬)として人気を博していたといわれています。

 

フランスには15世紀に渡ったとされていてイギリス他のヨーロッパ諸国での流行よりも一足早く流行が来ていたので破格の高値で取引されていたようです。
アメリカでは、1877年ごろまでマルチーズは「マルチーズ・ライオン・ドッグ」と紹介されていました。「ライオン・ドッグ」という名前はアジアの愛好家によって名づけられたもので、彼らが犬の被毛をライオンのたてがみの様にカットしていたことに由来していると考えられています。その後1888年にAKCに認定され、今では人気の高い愛玩犬種の1つになっています。

日本に輸入されたのは1855年頃で、1970年代前半までの高度経済成長期にマルチーズの最大ブームが続きました。

特に高度経済成長期にはポメラニアンとヨークシャテリアと共に座敷犬御三家といわれるほどの人気を博しました。

ジャパンケネルクラブ(JKC)の日本国内の登録数による犬種の人気ランキングによると1968年~1984年までの16年間マルチーズが一位だったという記録から人類最初の愛玩犬はマルチーズだったと言われています。

 

マルチーズ以外にも紀元前にはその地域固有のさまざまな品種がいましたが、ヨーロッパやアジアなどに持ち込まれたことにより混血が進み、容姿が変化することも多かったようです。

マルチーズだけはマルタ島に残されていたため他の犬と接触しない環境でした。

何世紀にもわたってマルチーズ同士の純粋な交配が繰り返された結果、昔と変わらない独特な性質を受け継いだ歴史の長い犬になりましたが、現在のマルタ島ではマルチーズを見ることは珍しいと言われています。

毛色・毛質

 

毛色は純白が望ましいとされていますが、レモン色や淡いベージュのような白の子もいます。
毛質は絹糸を思わせるような光沢のある白い被毛で、鼻先、垂れた耳から尾の先まで床に届くほどのまっすぐ伸びる直毛で、尾にも流れるような豊かな飾り毛があります。

アンダーコートがなく、オーバーコートだけのシングルコートの為抜け毛は少ないです。

性格

 

マルチチーズは落ち着きがあり、温厚であると同時に活発で遊び好きでもありますが、いたずらはあまりしませんし、小型犬特有の騒がしい一面を持っていません。

陽気で明るい性格をしていますが、神経質な面も持ち合わせていて「マルチーズテリア」と呼ばれていたほどにテリアのような気の強さが見られます。

見知らぬ人には神経質になり人見知りすることもあり、番犬にも向いているほどですが、中には吠え癖や噛み癖を持ってしまう犬もいます。

 

飼い主さんの家族であれば子供や他のペットとの相性も比較的よいですが、賢く神経質なため、いたずらに可愛がると子供に対して牙をむく傾向があります。

飼い主に対しては深い愛情を示してくれますので、一人暮らしの方には最高のパートナーになるでしょう。

マルチーズは男の子の方が穏やかでおっとりしていて、女の子は子犬を育てる必要があるからか気が強い傾向があります。

特徴

 

体高は20~25cmほどで、体重は2~3kgくらいで、体高、体重の個体差は少ない傾向があります。

華奢な体と短い脚、絹のようなまぶしいほどの白い被毛がマルチーズの特徴です。

頭は丸く、眼の渕が黒く、愛くるしい大きな暗色の瞳を持ち、フサ毛のある垂れ耳で、体は適度に引き締まっています。

コンパクトな体の構造、優しい表情、機敏な身のこなしなどもマルチーズの特徴で、イキイキとして活力にあふれ、軽快な足取りで優雅に流れるように歩きます。

 

 

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