ポメラニアンがかかりやすい病気・ケガ
環軸亜脱臼(かんじくあだっきゅう)
症状 |
首を触ると痛がり、症状が進行すると、体の知覚神経や四肢に麻痺がおこり、起立不能となります |
原因 |
先天的な骨の奇形と後天的な骨折や靭帯剥離などによります。先天的な骨の奇形は遺伝するもので、ポメラニアンなどの小型犬に多く見られるようです。 |
治療 |
治療、根治するには、亜脱臼を起こした頸椎を固定する外科手術が必要です。内科療法や固定具を使用した治療もありますが再発の可能性も高いようです。 |
心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)
症状 |
小さい欠損孔の場合は無症状の場合も多く、欠損孔が大きい場合は、運動したら疲れやすい、呼吸困難、繰り返す咳、運動を嫌がる、食欲不振・元気損失などがある。また、孔が大きく、心臓内の血流に影響が出る場合は、発育障害も見られます。 |
原因 |
先天性の疾患であり、遺伝性もあります。 |
治療 |
欠損孔が小さく無症状の場合は、特に治療の必要はないが、欠損孔が大きい場合は外科手術で孔をふさぐ必要があります。早期発見し手術すれば健康犬と変わらないが、すでに心不全の症状があらわれている場合は、強心薬や血管拡張剤、利尿薬の投与など内科的治療を行うが治療は進行を抑えるためのもので完治出来ません。 |
動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)
症状 |
心雑音で発見されます。まったくの無症状から重度のうっ血性心不全まで幅広い兆候が見られます。進行すると、元気がない、食欲不振、すぐ疲れる、呼吸困難などを起こし、左心不全や突然死を起こす恐れもあります。 |
原因 |
生まれてくる前に閉じているはずの胸部大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管が、出生後も閉じないのが原因で、その動脈管を通り、余分な血液が左心房に入るため、心臓にさまざまな負担がかかります。 |
治療 |
外科的処置が可能であれば手術を勧めますが、手術が困難な場合は、食事療法や安静療法といった内科的処置がとられます。また、血管拡張薬、利尿剤、強心剤といった薬物療法も並行して行われます。 |
水頭症(すいとうしょう)
症状 |
頭の中に水が溜まっている状態で、痴呆の疑い、ぼんやりしていたり、寝ている時間が多い、歩き方がおかしい、よく転ぶ、うまくたちあがれないなどがあります。 |
原因 |
先天的(遺伝)な原因と後天的な原因がある。水頭症は、脳内の液体成分(脳脊髄液)が過剰に溜まってしまい、脳室が異常に拡張した状態です。 脳脊髄の流れが滞って過剰に貯留する閉塞性と、脳細胞が何らかの原因で破壊されたり、十分に発育しなかった部分に脳脊髄液が貯留する代謝性があります。 どちらのタイプも先天的な原因や遺伝で起こることもあれば、頭部の外傷や、ウィルス感染による脳炎、脳腫瘍などの後天的要因で起こることもあります。 頭蓋骨が大きく骨の薄い犬種に多いです。 |
治療 |
脳脊髄液の量を減らし、脳圧を下げる薬剤を使用する内科的治療と、脳にたまった脊髄液を腹腔などに流すための手術を行う外科的治療があります。 |
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)※パテラ
症状 |
膝の皿が外れた状態になります。腰をかがめ内股で歩くようになったり、跛行が見られたりする。重症になると、重度の骨の変形となり、最小限しか地面に足をつけない様に歩くようになります。 |
原因 |
遺伝などによる先天性や、事故による後天性の原因があります。 |
治療 |
軽度の場合は、自然に元に戻ることもありますが、重度のものは、手術が必要になります。 |
グリコーゲン貯蔵症(ぐりこーげんちょぞうしょう)※糖原病
症状 |
嘔吐、進行性の全身性筋虚弱、肝肥大、腎肥大、巨大食道症、高脂血症、血糖値の低下により痙攣や神経障害を起こし起立困難になることもあります。 |
原因 |
肝臓に貯蔵されているグリコーゲンを分解する酵素が欠損し、体のさまざまな部位に異常なグリコーゲンの蓄積が起きてしまい起こる病気です。 |
気管虚脱(きかんきょだつ)
症状 |
興奮時や運動中に、乾いた咳や苦しそうな呼吸音を出します。また、症状が進むと、よだれを垂らしてあえいだり、唇や舌の色が紫になるチアノーゼを起こして倒れることもあります。 |
原因 |
気管を作っている軟骨や周りの筋肉の異常により起こりますまた、肥満や老齢が原因でも起こることがあります。 |
治療 |
咳や呼吸困難に対する内科療法がおこなわれ、症状が重い場合は、気管を広げる手術を行うこともあります。 |
クッシング症候群 ※副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)
症状 |
左右対称性の脱毛。多飲多尿、過食、元気がなくなるほか、皮膚に色素がついたり皮膚が薄くなるためお腹が垂れ下がったりします。 |
原因 |
プードル、テリア種などに多く見られ、副腎皮質ホルモンの過剰分泌により起こります。がんやアレルギー治療のために副腎皮質ホルモンの多量投与したときや、副腎腫瘍や脳下垂体の腫瘍が原因の時もあります。 |
治療 |
副腎皮質の働きを一時的に弱める特殊な薬剤を生涯投与する必要があります。副腎皮質ホルモンの投与が原因の場合は投与を徐々に減らします。また、副腎切除や下垂体切除を行うこともあります。 |
流涙症(りゅうるいしょう)
症状 |
やたらに涙が出るため、目頭が汚れて眼の周りの被毛が茶色く変色してしまいます。また、涙とともに出る目ヤニが鼻の横を汚してしまい、その部分に湿疹が出ることもあります。 |
原因 |
涙が正常に流れるためにある目と鼻をつなぐ涙小管が狭かったり、詰まってしまうことにより起こります。先天的なものと角膜炎や結膜炎などの病気が影響するもの、眼の周りの筋肉の異常や、鼻炎が原因することもあります。 |
治療 |
涙をマメにふき取りまぶたを清潔にします。点眼薬を点すことも効果があり、また、涙小管が詰まってるときは、管を患部に差し込んで洗浄します。 |
脱毛症(だつもうしょう)
症状 |
部分的脱毛と体全体に及ぶ脱毛がある。地肌が見え、皮膚の色が赤や黒に変色する。同時に悪臭や、痒みも併発することがある。 |
原因 |
内分泌障害やアレルギー、寄生虫、細菌などによる感染が主 |
治療 |
感染症から起こる脱毛は、感染源を突き止めて取り除くことで治癒します。 内分泌障害は長期の治療が必要になります。 |
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