カニンヘン&ミニチュア・ダックスがかかりやすい病気・ケガ

 

ムコ多糖症タイプⅢA

症状 ライムゾーム内の加水分解酵素の欠損や異常により、ムコ多糖類の一種であるグリコサミノグリカンが蓄積してしまい、骨や軟骨の形成障害や、水頭症を引き起こします。
また、運動失調、臓器障害、痙攣発作などもみられます。

環軸亜脱臼(かんじくあだっきゅう)

症状 首を触ると痛がり、症状が進行すると、体の知覚神経や四肢に麻痺がおこり、起立不能となります
原因 先天的な骨の奇形と後天的な骨折や靭帯剥離などによります。先天的な骨の奇形は遺伝するもので、ダックスにも多く見られるようです。治療 根治するには、亜脱臼を起こした頸椎を固定する外科手術が必要です。内科療法や固定具を使用した治療もありますが再発の可能性も高いようです。

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

症状 乾いた咳や呼吸困難になります。運動を嫌がり、食欲不振・元気喪失になります。
原因 心臓の左心房と左心室の間に存在する僧帽弁が障害を起こす異常が僧帽房弁閉鎖不全症を引き起こします。
治療 完治させる方法はありませんので、投薬により、血管を拡張した心臓への負担を軽減し、病気の進行を抑えます。

心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)

症状 小さい欠損孔の場合は無症状の場合も多く、欠損孔が大きい場合は、運動したら疲れやすい、呼吸困難、繰り返す咳、運動を嫌がる、食欲不振・元気損失などがあります。また、孔が大きく、心臓内の血流に影響が出る場合は、発育障害も見られます。
原因 先天性の疾患であり、遺伝性もあります。
治療 欠損孔が小さく無症状の場合は、特に治療の必要はないが、欠損孔が大きい場合は外科手術で孔をふさぐ必要があります。早期発見し手術すれば健康犬と変わらないが、すでに心不全の症状があらわれている場合は、強心薬や血管拡張剤、利尿薬の投与など内科的治療を行うが治療は進行を抑えるためのもので完治はしません。

動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)

症状 心雑音で発見され、まったくの無症状から重度のうっ血性心不全まで幅広い兆候が見られます。
進行すると、元気がない、食欲不振、すぐ疲れる、呼吸困難などを起こし、左心不全や突然死を起こす恐れもあります。
原因 生まれてくる前に閉じているはずの胸部大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管が、出生後も閉じないのが原因で、その動脈管を通り、余分な血液が左心房に入るため、心臓にさまざまな負担がかかります。
治療 外科的処置が可能であれば手術を勧めますが、手術が困難な場合は、食事療法や安静療法といった内科的処置がとられます。また、血管拡張薬、利尿剤、強心剤といった薬物療法も並行して行われます。

水頭症(すいとうしょう)

症状 頭の中に水が溜まっている状態で、痴呆の疑い、ぼんやりしていたり、寝ている時間が多い、歩き方がおかしい、よく転ぶ、うまくたちあがれないなどがあります。
原因 先天的(遺伝)な原因と後天的な原因があります。水頭症は、脳内の液体成分(脳脊髄液)が過剰に溜まってしまい、脳室が異常に拡張した状態です。
脳脊髄の流れが滞って過剰に貯留する閉塞性と、脳細胞が何らかの原因で破壊されたり、十分に発育しなかった部分に脳脊髄液が貯留する代謝性があります。
どちらのタイプも先天的な原因や遺伝で起こることもあれば、頭部の外傷や、ウィルス感染による脳炎、脳腫瘍などの後天的要因で起こることもあります。
また、ミニチュア・ダックス、トイプードル、ペキニーズ、チワワなど頭蓋骨が大きく骨の薄い犬種に多いです。
治療 脳脊髄液の量を減らし、脳圧を下げる薬剤を使用する内科的治療と、脳にたまった脊髄液を腹腔などに流すための手術を行う外科的治療があります。

骨形成不全症(こつけいせいふぜんしょう)

症状 子犬の成長に伴い大きくなるはずの骨盤の骨がそのままで、関節に異常が起こり、歩行や足の曲げ伸ばしが難しくなります。子犬の時はわかりにくいですが大人になり、よたるような歩きかた、跳びはねるような仕草をしている場合はこの病気を疑います。進行すると、足の曲げ伸ばしもままならなくなり、痛みも強まります。骨組織のコラーゲン結合蛋白の異常により非常に骨折しやすくなり、わずかな外力により簡単に骨折してしまい、多発性骨折を引き起こすこともあります。また骨折すると癒合も悪く、変形をきたして湾曲してしまうこともあります。
原因 遺伝性の骨組織のコラーゲン結合蛋白の異常です。
治療 手術などの外科的治療や、痛み止めの処方を行います。

発作性睡眠(ほっさせいすいみん)=ナルコプレシー

症状 眠いわけではなく、突然突っ伏したり横に倒れたりします。数秒から30分ほど続き、外界からの刺激により戻ることが多いようです。
原因 遺伝子の病気や自己免疫疾患、神経系の異常が考えられますがよくわかっていません。

セロイドリポフスチン症(CL症)

症状 発症1年半くらいは正常な犬と変わりませんが、徐々にセロイドリポフスチンという老廃物が溜まっていき、突然、見慣れたものに恐怖を覚えたり、物にぶつかったり、溝に落ちたりなどの視覚障害や、方向感覚の喪失、立ち上がれなくなる、恐怖から狂暴になるなどが起こります。
原因 遺伝によるものと言われております。
治療 治療法はなく、治すことはできません。

クッシング症候群 ※副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)

症状 左右対称性の脱毛。多飲多尿、過食、元気がなくなるほか、皮膚に色素がついたり皮膚が薄くなるためお腹が垂れ下がったりします。
原因 プードル、テリア種などに多く見られ、副腎皮質ホルモンの過剰分泌により起こります。がんやアレルギー治療のために副腎皮質ホルモンの多量投与したときや、副腎腫瘍や脳下垂体の腫瘍が原因の時もあります。
治療 副腎皮質の働きを一時的に弱める特殊な薬剤を生涯投与する必要があります。副腎皮質ホルモンの投与が原因の場合は投与を徐々に減らします。また、副腎切除や下垂体切除を行うこともあります。

椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)

症状 元気がない、疲れやすい、足を引きずる、かばう、足を痛がる、歩き方がおかしいなどがあり、重症になると麻痺して半身不随になったり、後肢の麻痺により、排便・排尿が困難になったりします。
原因 全力疾走や階段の上り下り、跳ねたり、体をねじったりなどの激しい運動や肥満、骨の老化により頭部や胴体の重みを支える脊椎のクッションの役割を担う椎間板への負担が大きくなり損傷することによっておこります。椎間板を損傷すると椎間板内部のゲル状物質の髄核が飛び出し脊髄や脊髄から出る神経を圧迫するため、これが痛みや麻痺の原因となります。
治療 軽度の内は、薬剤で患部の痛みを抑える内科的治療を行い、ケージの中でしばらく安静にして運動を控えさせます。内科的治療後も症状があまり改善しない場合や重症の場合は、外科的治療を行い、その後は、リハビリで神経の機能回復を図ります。

糖尿病(とうにょうびょう)

症状 食欲旺盛なのに体が痩せてくる多飲多尿、進行すると白内障になることもあります。
原因 膵臓から分泌されるインスリン不足が原因ですが、遺伝、膵臓の炎症、ホルモン、ストレス、ステロイドホルモンなどの薬物によっておこります。
治療 軽度の場合は、炭水化物と脂肪を減らした食事療法と定期的な運動で肥満を解消させることが有効な治療です。また、はっきりと症状が認められる場合には並行して、インスリン注射を行いますが、この注射は獣医師の指導に従い、飼い主が毎日自分で打つ必要があります。

膿皮症(のうひしょう)

症状 顔や脇、指の間、股の内側に赤い発疹が現われます。病気の進行に連れて広がり、中心部が黒くなります。痒みも強いため、犬がしょっちゅう患部を舐めたり引っかいたりしてしまい脱毛します。症状が進むと患部が膿を持ち発熱することもあります。
原因 細菌感染によっておこる皮膚炎。慢性の皮膚病や栄養不足強い薬物の過剰投与、免疫不全によることが多く、体の免疫力が落ちたり皮膚の抵抗力が落ちた時に発症しやすいです。
治療 発見が早く、皮膚表面だけの症状で済んでいる場合は、薬用シャンプーと抗生物質で菌の増殖を抑えますが、皮膚の深くまで細菌が入り込んでる場合、長期の治療が必要です。

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)

症状 元気がなくなり、運動を嫌がるようになります。食欲不振になりますが、体重は増える傾向にあります。また、基礎代謝の低下のため、皮膚は乾燥し、脱毛します。寒さに弱くなるため心臓機能も低下します。
原因 甲状腺の委縮や破壊、腫瘍などが原因と考えられています。
治療 甲状腺ホルモンを獣医師の指示に従って規則正しく投与する必要があります。

白内障(はくないしょう)

症状 晶体が、白く濁ってしまい、視力を低下させてしまいます。
それによって、歩行がぎこちなくなったり、物によくぶつかるようになったりします。
原因 加齢によっておこる高齢性白内障のことが多いですが、眼球をぶつけたりすることによっておこる外傷性白内障や2歳以下の若いうちに発症する遺伝性白内障、糖尿病により引き起こされることもあります。
治療 初期に白内障を発見した場合は、混濁抑止作用の点眼薬を点すことにより、進行を遅らせる治療になりますので、完治させたい場合は、外科的手術を行う必要がありますが、外科的手術は全身麻酔をかける必要があり、高齢な場合や別の基礎疾患を持っていると手術を受けられないこともあります。また、手術後も1週間の入院やおおよそ1カ月はエリザベスカラーをつけなくてはいけないので犬のストレスは大きくなります。

緑内障(りょくないしょう)

症状 眼圧が高くなり、視神経に影響を及ぼし視野が狭くなる。目の色が緑色や赤色に見えたり、眼圧の影響で目が飛び出して見えたりします。角膜炎や、結膜炎を併発したり、視力障害を起こし失明することもあります。痛みが強く、元気をなくし、食欲も減退し、イライラして攻撃的になることもあります。
原因 先天性や、眼内の炎症、外傷、腫瘍、水晶体の異常が考えられます。
治療 瞳孔を縮める縮瞳剤を使い、眼圧を下げる内科療法を並行して行います。これで効果がない時は手術を行うこともありますが重症になると完治は困難です。

 

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