イグアナの飼い方~病気・ケガの予防~
イグアナの飼育環境
ケージ内の温度は、夏場は昼35度位~夜28度、他の季節でも昼30度~夜25度に保つようにしましょう。
室温が20度を下回ると肺炎になって死に至る可能性もあるのでできるだけ25度以上には保っておいた方がいいでしょう。
また、昼間はバスキングランプやヒーターで一部分40℃近くになるホットスポットを作ってあげた方がいいですが、暑くなったら自分で移動できるよう木陰になるような場所も作っておきましょう。
紫外線を放出するライトを設置して照射することで、日光浴ができますが、長時間つけっぱなしの場合は、火傷してしまうので、ライトをつける時間に気をつけましょう。バスキングライトや紫外線を放出するライトは熱を持つため水槽内の高めの場所に設置してイグアナに直接触れて火傷しないように設置する場所に気をつける必要があります。
イグアナは熱帯域の高温多湿な環境に棲んでいるので湿度は60%前後を保つようにしなければ、脱水症や、脱皮不全など腎臓に負担がかかり病気を引き起こしてしまいます。基本的に木の上で生活しているので止まり木をケージ内に設置する必要がありますが怪我しないようにしっかり固定して登ってもぐらついたりしないようにしましょう。
イグアナのケガ
ケージにぶつかったり、障害物に引っかかって傷を負ったり、複数飼育の場合は、喧嘩してケガしたりしてしまいます。
ケガは本来自然治癒する可能性が高いですが、場合によっては、傷口の内部で炎症が起きて、化膿してしまいさらにひどい腫瘍化してしまうこともあります。
腫瘍を放置していると壊死してしまう可能性もあるので、一見するとコブができたかなと思うような軽いけがでも腫瘍の可能性もあるのでおかしいなと思った場合すぐに獣医さんに診てもらった方がいいです。
イグアナの食餌
イグアナは種類により、昆虫やピンクマウスなどを食べる動物食性のイグアナと、果物や野菜を食べる草食性のイグアナ、雑食性のイグアナがいるのですが、飼うときには動物食性か草食性かをきちんと調べておきましょう。
草食性のイグアナに動物食をあげても食べることもありますが、消化がおいつかなくなり病気になってしまうので与えないようにしましょう。
ほうれん草、ブロッコリー、キャベツは、カルシウムの体内への吸収を妨げたり、甲状腺の機能を狂わせたりするのであげるとしても少量にしましょう。また、にんにく、たまねぎ、ねぎ、など刺激の強い野菜はあげてはいけません。
また、イグアナ用の配合フードもあるので、配合フードを主にすれば手間は減りますが、栄養的にも野菜もたまに与える必要があります。
人間の食べ物は塩分や油分が多いので与えないようにしましょう。
他にも、野菜を与える時は残留農薬で中毒を起こすこともあるので気をつけてよく洗ってから与えるようにしましょう。
あげすぎて肥満になってしまうと、心臓や呼吸器などに負担がかかったり、体を支えるのに負担がかかってしまったりして怪我をする可能性も高くなってしまうので肥満に気をつけましょう。
脱皮不全
イグアナの脱皮は、蛇などの全身一気に脱皮するのと違って、部分的に剥がれ落ちていくため時間差が生じて脱皮しますが、脱皮が不完全になって脱皮しきれていない皮膚があったり場合、残った皮膚が角質化してしまったり、指先や尾先、とげ(クレスト)の部分などの細いところなどは血行壊死を起こしてしまいます。
欠損してしまうこともあるので脱皮不全が起きている場合、人為的にはがしてあげる必要もあるが、脱皮不全になりにくい環境を作ることも大切です。
脱皮不全の原因としては、温度管理不足、湿度不足、ストレス、栄養不足でなることが多いようです。
脱皮不全の皮は、流動パラフィンや温浴、ぬるま湯を霧吹きするなどして皮膚をふやかしてからピンセットなどでつまんで取ってあげる必要があります。
クル病
カルシウムやビタミンDが吸収できなかったり、不足したりすることで起きてしまう病気で、骨が柔らかくなり骨折しやすくなってしまいます。
体の成長にカルシウムが多く必要な幼体のころにかかると、背骨や尾の変化、手足の変形、顎の軟化などの症状が起き、さらに進行すると、四肢の麻痺、や痙攣、手足の骨折が起きるようになってしまいます。
成体の場合、手足の腫れや四肢の麻痺や痙攣が起こり、さらに進行すると骨が軟化してしまい体重を支えきれなくなり骨折してしまいます。
クル病の原因としては、ビタミンDの不足や紫外線量の不十分が多いので、カルシウムとビタミンの摂取、日光浴をすることがクル病の予防になります。
カルシウムの摂取の一つとして爬虫類用のカルシウム剤もいいと思います。