フェレットの飼い方~病気・ケガの予防~
フェレットの食餌
●与えてはいけないもの
・ネギ、玉ねぎ、にら、にんにく、ラッキョウなどネギ科のもの
→下痢や痙攣等中毒症状が起きます。
・生の豚肉
→トキソプラズマに感染する可能性があるためしっかり加熱してから与える事です。
・ジャガイモの芽や表皮が緑色に変色した部分
→「ソラニン」という有毒物質が含まれていて嘔吐、下痢、呼吸困難、腎不全などの症状を引き起こす場合があります。
・生魚
→魚介類の内臓には寄生虫やビタミンB1を破壊する酵素が含まれているので加熱してから与えましょう。
・イカ、タコ、エビ、カニ類
→ビタミンB1を破壊する物質が入っていて消化に悪いため、フェレットの胃に負担がかかります。
・チョコレート
→嘔吐、下痢、腹痛、脱水、などの中毒症状を起こし死に至ります。
・乳製品
→乳製品に含まれている乳糖が原因で下痢をしてしまいます。
・鳥豚牛など動物の骨
→消化器官を傷つけてしまいます。
●肥満によるリスク
・心肺機能の低下。
・運動能力の低下により怪我しやすくなります。
・麻酔がかかりにくくなり、覚めにくくなるなどのことが起きるので肥満にしないように気をつけましょう。
フェレットを飼う環境
フェレットは暑さに弱く32度以上の温度に耐えるのが難しいです。
フェレットの環境理想温度は15~24度で、体表に汗腺がないため汗をかいて体温調節することができないので特に夏の温度管理は大切です。
また、日の当たる場所にケージを置いといても熱中症を起こす危険があるので、ケージはできるだけ日の当たらない場所に置くようにしましょう。
頭のいい子はケージの出入り口の留め具を自分で開けて脱走してしまうこともあるので留め具の数を増やすなど対策した方が安全です。
フェレットを部屋に出す時の注意点
フェレットは、好奇心旺盛で部屋に落ちているものが珍しくて匂いを嗅いだりするくらいならいいですが、口にくわえて噛んだり振り回したりして遊んでいて間違えて飲み込んでしまうこともありますし、フェレットが消化できないお菓子や野菜なども落ちていたら何でも食べてしまいます。
なので、フェレットを部屋に出す時は、小さいものが落ちていないようにし、齧られたら危険なものは、フェレットに届かないようにする必要があります。
消しゴムや、人間用の塗り薬、粘土、スリッパ、クレヨン、耳栓、ウェットティッシュ、靴下やタオルなどの柔らかい布などを誤飲してしまい、腸に詰まってしまい、腸閉塞になり開腹手術をしなくてはいけなくなったり、手遅れになって死んでしまったりする場合もあります。また、コンセントをかじって感電してしまう場合もあるので、コンセントをフェレットの届かない高い所に通したり、保護カバーをつけたりして対策しましょう。
他にもフェレットは狭い所に潜り込むのが好きで、窓やドアの隙間から脱走してしまったり、毛布やソファーの隙間に潜り込んでいるのに気づかず踏んでしまって怪我させてしまったりすることもあるので、部屋に放す前に窓やドアがきちんと閉まっているか、潜ってしまいそうな毛布とかを取り除くなど対策したうえでフェレットが部屋にいる間は目を離さずどこで何をしているかきちんと把握することがけが予防になります。
フェレットは高さの概念がなく、高い所から躊躇なく飛び降りてしまい怪我をしてしまうこともあるので、高い所には登らせたり乗ったりしないようにしましょう。また、絨毯や毛布に伸びていた爪が引っかかってしまい、暴れた拍子に怪我してしまうこともあるので爪はまめに短めに切ってあげときましょう。
フェレットがかかる病気
・インフルエンザ
→人間がかかる「インフルエンザ」と同じで、フェレットがかかっても症状は人間と同じで、「発熱・咳・くしゃみ・鼻水・食欲不振」を起こしますが、免疫力が低下している場合は死に至る危険性もあるので、飼い主がインフルエンザをもらってこないように注意しましょう。それでも、飼い主がかかってしまった場合は、フェレットに移さないようにインフルエンザにかかっている人とフェレットを離すようにし、もしかかってしまっていたら早めに病院に連れて行けるようにフェレットの行動に気をつけましょう。
・フィラリア
→元気がない、食欲がない、嘔吐する、咳が続く、呼吸がつらそう、腹水の症状が見られるようになり、一見すると、風邪の症状に似ている為発見が遅れて手遅れになってしまう場合もあるし、犬や猫と違い体が小さいのでフィラリアに1匹寄生されただけでも大変な症状が現れるので定期的な検査と予防が大切です。
予防は、蚊が出始める時期から蚊がいなくなってから1カ月後までフィラリア予防の薬を獣医さんでもらい、月1回投与する必要があります。
シニア(4歳)になったらかかりやすくなる病気
・インスリノーマ
→低血糖で元気がなくぼーっとした状態が続き、悪化すると体の脱力感や体温低下、体重低下がみられ、歩けなくなったり、痙攣や発作を起こしたりすることもある。膵臓の細胞が腫瘍化してしまいインスリンが大量に分泌されてしまうようになり低血糖を引き起こす病気です。
血液検査で調べることができるので定期的に健康診断を受けることが大切です。
・副腎腫瘍
→貧血や尻尾から始まる脱毛があったり、オスは尿が出にくくなったり、メスは外陰部が腫れたりする。副腎が腫瘍化、肥大化することによって起きる病気です。
・リンパ腫
→元気がなくなる、食欲や体重の低下が初期症状。首や脇、肺付近や足の付け根のリンパ節が大きくなりしこりになることもありますので、体に触ってシコリがあった場合は、すぐに病院に連れて行くようにしましょう。リンパ腫は血液中の白血球の一つであるリンパ球ががん化したため起こるので治療は抗がん剤治療になってしまいます。