鳥の飼い方~病気・ケガの予防~
鳥の食餌について
●鳥にあげてはいけない食べ物
・コーヒー類、チョコレート類→カフェインやタンニンが毒
・アルコール類→揮発性のアルコールを知らずに吸ってしまい歩行困難などの急性症状が出ることも
・ネギ、にら、にんにく類→刺激が強く中毒を起こす
・アボカド
・バラ科の植物の種(リンゴ、モモ、さくらんぼ)
餌が原因で引き起こす病気(栄養不足など)
●ビタミンB1欠乏症(脚気、脚弱症、チアミン欠乏症、多発性神経炎)
片足からの脚の痺れや筋肉の痛み、びっこから始まり、両足に進行して、翼や嘴を使って移動するようになります。
さらに進行してしまうと呼吸困難や循環障害、脳神経障害から痙攣を起こして死亡してしまいます。
沢山の栄養が必要な幼若期に見られ、特に粟玉のみの挿し餌で飼育されている幼鳥に多く見られます。
未精製の穀類はビタミンB1が豊富ですが、精製するとビタミンB1がほとんどなくなってしまっていますので注意が必要です。
ビタミンB1が豊富な食事がよく、幼若鳥用のペレット、もしくはパウダーフードが適切です。
●ビタミンD欠乏症
ビタミンD3が欠乏することにより腸管からカルシウムが吸収できなくなり、成長不良、骨軟化症、骨粗鬆症などを引き起こしてしまいます。
日光浴やサプリメントである程度防ぐことが出来ます。
●そのう炎
下痢、食欲不振、そのうに未消化の餌が残っている、食べたものを吐く、あくびを頻繁にします。
水分を含んでふやけた粟やパン、うどんなどの人間の食べ物を食べることで発症して、そのう内に細菌や真菌が増殖して炎症を引き起こしてしまうのです。
首を振って吐いたり、嘔吐物が発酵した臭いがしたりするのが特徴です。
雛の餌の「差し餌」を成鳥の餌へ切り替えずにいつまでも「差し餌」を与え続けてしまうと、高い確率でそのう炎になってしまいます。
セキセイインコの差し餌の卒業目安は生後30~35日頃です。
※肥満になると、内臓脂肪が増えて脂肪肝や動脈硬化などの病気になったり、心臓に負担がかかったりして死に至りこともあります。
また、体重を支えきれなくなり、足にどっしりとした重みが来るので傷ができやすくなったり、その傷から感染症を引き起こす可能性もあるので、肥満にならないよう気をつけましょう
インコを飼育するときの注意点
●体温は42度と高いため、寒さに弱いので、冷房の風が直接当たらない所にかごを置くようにしましょう。
●冬の寒い時期や体調の悪い時は保温器で保温しましょう。
(ケージの半分は保温器&毛布を掛けるなどあったかくして、暑くなった場合、反対側は高温が逃げるようにしておくと保温と高体温症どちらにも対応できる。)
●鉛中毒
ケージから出して室内で遊ばせている際に、あやまって鉛を接種すると中毒症状を起こし、治療が遅れると数日で死に至ることもある危険な病気です。
中毒症状は元気がなくなる、食欲低下、多飲、嘔吐、緑色の便、血尿、興奮、痙攣、情緒不安定、頭部下垂、旋回、目が見えなくなる、片足立ち、握力の低下、止まり木から落下などがあります。
カーテンや釣りの重り、ハンダ、バッテリー、絵具のチューブ、アンティーク調の金具、電球の基部、メッキ加工が施された装飾品、家具の塗料などに鉛が含まれていることが多いのでインコの行動範囲には鉛を含んでいるものを置かないようにしましょう。
鳥の日光浴
鳥の日光浴は体に必要なカルシウムの吸収に必要なビタミンD3を作りため、体作り、骨つくりに必要不可欠です。
また、羽についたダニなどの寄生虫を駆除する効果もあります。
●日光浴の目安時間
セキセイインコなどの小型インコは1日10分ほど
オカメインコなどの中型インコは1日30分~1時間ほど
大型インコは2~4時間が目安です。
※あくまで目安なので鳥の様子や体調をみて加減してください。
●日光浴の環境
直射日光が日陰もなく全体に当たると弱ってしまうので日陰も作っておく必要があります
外敵防止のために網戸越し又は敵に襲われない環境(2重構造の小屋など)で、外敵が来ても体調を崩しても対応できるように目を離さないようにします
気温の変化にも注意して、寒い冬は暖かい時間や保温球、夏は暑さが厳しいので、涼しめな朝や夕方に日光浴させるようにします。
日光浴は直接紫外線を浴びせてください。窓ガラス越しだと紫外線が通らないので意味がなくなってしまいます。
日光浴が難しい場合は「太陽光ライト」という紫外線が発生するライトを使うのも手ですが、爬虫類用は鳥用よりも紫外線が強く鳥の目に良くないとされているので、必ず鳥用のものを選ぶ必要があります。
放鳥について
飛ぶことによって、健康を維持し、運動不足とストレスを解消できます。
ストレスがたまると呼び鳴きや毛引きの問題行動や体調不良の原因にもなってしまいますので、放鳥時間は30分~1時間ほどで出来るだけインコと触れ合いましょう。
●逃げないように放鳥する時は必ず、家の中の戸締りを確認。
●鳥はガラスの区別ができないので窓にはカーテンを引く、ガラステーブルを隠す、布で覆うなどしてください。
●放鳥する前に家族に伝えることで、放鳥中に放鳥を知らない家族が部屋に入ってきてしまい、うっかり鳥を踏んでしまうことや放鳥を知らない家族が家に帰ってきて、うっかり逃がしてしまう事などがないようにしましょう。
●本を読みながら、テレビを見ながらの「ながら放鳥」や、その場に人がいない場合は不意に事故が起きる可能性があるので、ながら放鳥するくらいなら放鳥しないでもっと時間にゆとりがある時に放鳥するようにした方が安全です。