ミニチュアシュナウザーについて
ルーツ
シュナウザーにはミニチュアシュナウザー、スタンダードシュナウザー、ジャイアントシュナウザーの3種類がいますが1番最初にできたシュナウザーは、スタンダードシュナウザーで、残りの2種類はスタンダードシュナウザーを改良したものです。
14世紀にドイツで作出されたスタンダードシュナウザーは、家畜の誘導や小さな荷車をひくなど牧羊犬や使役犬としての使命を果たしてきていました。大変賢い犬種で、警戒心の強さと飼い主への忠誠心と温厚さからドイツ軍の情報伝達に用いられていた歴史もあります。危機回避能力も高く、「人間の頭脳を持った犬」と呼ばれているほどです。
ミニチュアシュナウザーは、ネズミなど小動物の被害に頭を悩ませたもっと小回りの利く害獣駆除犬を作ろうとスタンダードシュナウザーを元に作出し、アーフェンピンシャーや、プードル、ミニチュアピンシャーなどを交配してその原型が出来上がりました。他のシュナウザーと同様に、ミニチュアシュナウザーも大変賢く、落ち着きがあり、飼い主への愛情も深いことから「世界最高の家庭犬」とも呼ばれています。
原産国はドイツですが、アメリカに渡ってから改良がさらに進み小型化していきました。プードルや他の犬種との交配を経て現在のミニシュアシュナウザーの形に固定されるに至ります。元々は、ワイヤーヘアード・ピンシャーと呼ばれていましたが、1879年に初めて参加したドッグショーで、ミニチュアシュナウザーの独特の容姿が人気を呼びその時参加していた犬のペットネームが「シュナウザー」で、シュナウザーはドイツ語で口髭という意味があったためそのペット名がそのまま犬種名に定着したと言われています。
1899年にはドイツのケネルクラブに正式に犬種認定されましたが、アメリカにおいては1933年まで、スタンダードシュナウザーと同じ犬種とされていました。特にアメリカで人気が高く長く人気犬種ランキング上位に君臨していましたし、多くの著名人やハリウッドスターも愛していたと言われていますし、ブルースリーの愛犬としても有名でした。
日本に入ってきたのは戦後まもなくで、米軍兵が連れてきたのが最初だと言われていますが、当時の日本はトリミング技術が未熟だったためあまり普及しませんでしたが、その後2000年頃になってから人気が上昇し始め、以来ジャパンケネルクラブの人気犬種上位をキープしています。
毛色・毛質
ミニチュアシュナウザーの毛色は犬種標準(スタンダード)に認められている毛色は、4種類あって、「ソルト&ペッパー」「ブラック」「ブラック&シルバー」「ホワイト」があります。
ミニチュアシュナウザーと聞いて思い浮かびやすいグレーとホワイトの被毛の子が「ソルト&ペッパー」と呼ばれ、グレーのグラデーションになっていますが1本の被毛で、明色と暗色の縞模様をなしています。「ブラック」は、その名の通り全身真っ黒ですが、胸元に白いまだら模様がある事があったり、加齢とともにレバー色やグレーに変化することもあったりします。
「ブラック&シルバー」は、ブラックが漆黒なのが理想で、アンダーコートもブラックのみとされています。前顔部、頸、耳の外側も黒く、ホワイトのマーキングがあるのは、目の上、髭や頬、胸の前部の2つの小さな三角形、前足の先の方、後肢の後ろ側や肛門にあるのが理想とされていて、黒の被毛に白のワンポイントがある事により、黒と白のコントラストができてとてもきれいです。
「ホワイト」はその名の通り、全身真白で、アンダーコートも真っ白ですが、純白の毛色が「退色」といって日光にさらされることで毛色が薄くなることで、クリーム色っぽくなってしまうこともあります。退色は全部の毛色で起こる可能性があります。また、子犬の時の方が成犬より被毛の色が濃いのも特徴です。
犬種標準には認めてられませんが、ウィートンや、ブラック&ホワイト、ホワイト&ブラック、レバー、レバー&タン、レバー&ホワイト、レバーペッパー、レバーパーティなどもいますが、犬種標準に認められていない為、展覧会では減点対象になってしまいますが家庭犬としてかわいがる分には問題ありません。
毛質は2層構造で、下毛は柔らかく密集して生えていて、上毛は固くてワイヤーの様な毛質で、抜け毛は少ないですが伸びやすいので毛玉にならないように注意してください。
性格
活発で従順、頭脳明晰で家族や飼い主をよく観察して状況に合わせた行動をします。
主人に対する忠誠心が強いため、興味がない人にはそっけなくすることもありますが、基本的には人懐こく友好的で子供にも優しいので家庭犬向きです。
シュナウザーの他の犬種と比べると独占欲が弱く他の犬とも仲良くやっていけます。
典型的なテリア気質で、度胸がありテリア系統によくあると言われる攻撃的な一面も持ち合わせていて勇敢なので番犬にも向いています。
特徴
頑丈で筋肉が発達していて、四角く骨太で、体高と体長がほぼ等しいスクエアタイプの体をしています。
体高は30~35cmくらいで、体重は5~7kgくらいの大きさで、雌雄での大きさの違いはほとんどありません。
耳は前に垂れているか、断耳して立たせていることがありますし、尻尾も幼件のうちに断尾して短くなっていることがほとんどです。
犬種を小型化する際は、マズルが短くなることが多いですが、ミニチュアシュナウザーは、スタンダードシュナウザーを小型化したことによって作業効率が落ちないように改良したためスタンダードタイプをそのまま縮小したような姿をしています。
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