ダックスフンドについて
ルーツ
現在のダックスフンドの祖先にあたる犬は、15世紀のオーストリアやドイツの山岳地帯に存在していたと考えられています。最初期のダックスフンドは現在のスタンダードダックスよりやや大きくて、スムースタイプのテリア種が基礎犬に導入されていたと考えられています。その後、ワイヤーヘアのテリアが交配されたりスパニエルが交配されたりと他犬種と交配してきたことによりワイヤーヘアのダックスやロングヘアーのダックスが生まれたとされています。
ドイツでは、カニンヘンダックスでもスタンダードダックスでもすべてのダックスが犬種成立から現在に至るまで嗅覚ハウンドの猟犬です。アナグマ猟で働くダックスフンドは、アナグマの巣穴に入れる個体が大切にされ、選択交配してきたことにより、体長が体高の2倍近くあるという独特のプロポーションが生まれました。
アナグマは、タヌキやアライグマの様に見た目では愛嬌がありますが、性格は荒く、凶器にもなる長い爪を持っているため、凶暴なアナグマにひるまない、勇敢な性質とすばしこい体を持つことを求められてきました。ミニチュアサイズへの改良は19世紀ごろにされたとされていて、目的は本来アナグマ猟として使われてきていましたが、ダックスフンドをより小型なうさぎなどの猟にも使うための目的として、より小さい穴へはいれるように体の小型化が行われてきて、カニンヘンダックスも誕生しました。
ドイツでは、ダックスフンドの最も古いクラブ「ドイツテッケルクラブ」で、繁殖の努力がされ、アメリカには19世紀後半に渡ったとされ、アメリカンケネルクラブ(AKC)に犬種として公認されたのが、1935年です。ダックスフンドが日本に渡ってきたのは明治時代といわれていますが、実際に人気が出てきたのは、1955年に日本ダックスフンドクラブが設立されてからです。そして1時期は人気NO1犬種になり、JKCの記録に残っている中では、1999年から2007年まで、日本国内での登録頭数NO.1という記録を持っていますが、今では人気も落ち着いてきていますがそれでも登録頭数第3位の位置を守っている人気犬種です。
毛色・毛質
レッド、レディッシュイエロー、イエロー(クリーム)がJKCで認められている単色の毛色で、あとはこれらに色にまばらな黒い毛が混じっていることを「シェイテッド」といい、「シェイテッド・レッド」などと呼ばれていますが単色に分類されます。
2色は、ブラックとブラウンを基本にして、目の上、マズル及び下唇の側面、前胸部、脚の内側及び後部、足の上、肛門周りなどがタン(黄褐色)またはイエローが入っている毛色などでブラックタンと呼ばれる毛色です。その他にも、ダップル、ブリンドル、タイガーブリンドルなども認められています。また、ワイヤーダックスに関しては、ワイルドボアという猪色、デッドリーフ、ドライリーフという落ち葉色が多いです。
今まで紹介したのはJKCに認められている毛色ですがブラック、ブラック&ホワイト、ブルー、ホワイト、ブリンドル&シルバー、ダブルダップルなどJKCには認められていないですが様々な毛色の種類がありますが、毛色は犬の体に大きな影響をあたえますので毛色によっては劣性遺伝子を持っていることにより毛色の組み合わせによっては、重大な欠陥を持って生まれることがあるので注意が必要です。
ダックスフンドの毛質はスムースヘアード、ロングヘアード、ワイヤーヘアードの3つの毛質があります。スムースヘアーは、固い毛質の短い毛が密生していて滑らかに光沢があり、換毛期は抜け毛も多くなりますが、ロングヘアーと違い固い毛質なので洋服などには抜け毛がくっつきにくいです。ロングヘアーは、柔らかい毛質のややウェーブした長い被毛のため、最も抜け毛が多いうえに、長くやわらかい毛質なので家具や衣服に毛が付くと目立ちやすいですし、換毛期にあたる1カ月は特に大量に抜け毛が出ます。ワイヤーヘアは、全体的に密生した剛毛ですが、眉と顎の部分の毛が長いのが特徴的で、ダックスの中では1番抜け毛が少ないですが、全く抜けないわけではありませんが、つるっとした短い被毛でもあるため抜け毛はほとんど目立ちません。
性格
ミニチュアダックスフンドは、人懐こくやんちゃな甘えん坊の子が多く、初対面の人にも「遊んで!」と体を摺り寄せて寄ってくる子も多いですが、頑固で勇敢な一面もあり、知らない人には必ず吠えてしまうという子も多いです。
毛質によって性格に違いがあり、スムースは、陽気で飼い主に対しても忠実。ロングは、温厚で甘えん坊だが、警戒心が強く初対面の人に吠えたりする。ワイヤーは、ミニチュアダックスの中でも独立心が強く、知らない人には吠えてしまうこともありますが、家族には陽気です。
カニンヘンダックスは、より活発で、明るく社交性もあり、遊び心のある性格をしています。また、独立心があり、勇敢で威厳があり、小さいながらも好奇心旺盛で物おじせず堂々としている面があったり、やんちゃで頑固という猟犬として活躍していた性格も残っています。
特徴
ダックスフンドは、獲物を追って地中の巣穴に入り込みその中を思った通りに移動できるように胴長短足の体形につくられました。この体形に加えて、獲物を捕らえる顎の強さや、獲物を捕らえる体力もかね揃えていますし、優れた狩猟本能、鋭い嗅覚と大きな吠え声が、地中のハンティングに大きく役立ちました。
しなやかでメリハリのある機敏な動きと並外れた耐久力を持ち合わせていてその足取りは流れるように滑らかです。
また、エネルギーのかたまりのような犬種なので嬉しいことがあると体全体を使って表現します。
胸が発達していて、筋肉質で引き締まった体型です。顔立ちは面長で、マズルが長く、アーモンドアイや垂れ耳もチャームポイントです。
ダックスフンドの大きさは、胸囲や体重で、3つの種類に分けられて、大きい方から1番大きいスタンダードダックスは、胸囲35cm以上で、理想体重は9~12キロ、ミニチュアダックスは、胸囲が30~35cmで、理想体重は4.5~4.8キロ、一番小さいカニンヘンダックスは胸囲が30cm以下、理想体重は、3.2キロ~3.8キロで、ミニチュアダックスとカニンヘンダックスは生後15ヶ月で測定することによってサイズが確定します。
<このページに関連したページ>
・カニンヘン・ミチュアダックスの飼い方