シーズーについて
ルーツ
中国とチベットは仏教を通じて古くから交流があり、チベットの僧院から中国の王侯貴族へ、ラサアプソなどの単吻種が贈られました。シーズーはペキニーズとラサアプソを交配してつくった犬だと言われています。いずれも現存する犬種であり、両国でそれぞれが神の遣いとされていました。
歴史的順序としては、8世紀ごろにチベットから贈られたチベタン・スパニエルを中国王宮内で繁殖固定したのがペキニーズで、同じくチベットから16世紀頃に贈られたラサアプソとペキニーズを交配し、固定化されたのがシーズーという形です。3犬種の中ではシーズーの作出が1番新しく19世紀に作出されたと推定されています。
シーズーは中国語で、「獅子」を意味していてシーズーもペキニーズと同様に獅子狗とされ、守り神として王侯貴族の家庭内で大切に飼われてきました。宗教を司る僧院から王宮に贈られた犬たちは、神仏から与えられた聖なる力の象徴として、門外不出とされていたため、繁殖の際にも王宮外の犬と混血することなく、王室の伝統とともに長い時間をかけて固定化されていましたが、その歴史は戦争によって1度断たれることになってしまいます。
19世紀後半の第二次アヘン戦争により、清朝・西太后は英仏軍によって城を追われてしまい、この時城に残っていた犬たちは、英仏軍に略奪されたり虐殺されたりしてしまいましたが、この時生き残ってイギリスに渡った犬たちの一部は、犬好きな英国王室によって保護されたと言われています。
チベットが中国宮廷に聖なる犬として短吻種を贈ったのと同様に、アヘン戦争以前には、中国からも英国の王侯貴族に対して聖なる犬たちが贈られていました。
イギリスではこれらの聖なる犬たちも少しずつ家庭犬として一般家庭にも広がったと推定されています。これらの生き残った犬たちを土台として、シーズーは改に繁殖の道をたどるようになりましたが、シーズーとラサアプソやペキニーズが一時はこれらのミックスを1つの犬種としてみなさていたこともあったようです。
それから月日がたち、20世紀前半の1920年~1930年頃になってようやく、それぞれの犬種の特徴で分類された犬たちで計画繁殖されることになり、1935年にイギリスでシーズークラブが設立され、犬種として公認されました。アメリカでは1969年に登録され、日本ではアメリカより少し早く、1963年頃に入ったとされています。
毛色・毛質
毛質は長毛の豊かなダブルコートです。
性格
遊び好きで活発な面と、穏やかで落ち着いた面の両方を持ち、人や他の犬にも友好的です。愛情深くおおらかな子が多く、神経質な子も少ないので子供との付き合い方も上手です。家族に対して非常によく気遣いをして、様子を見ながら接するなど愛玩犬として、思慮深い一面もあります。
特徴
鼻ぺちゃで、垂れ耳、体高より体長がわずかに長く、決して華奢ではない、しっかりした四肢を持っています。
体高は26.7cm以下、体重は、4.5~8.1kgくらいが理想とされています。
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